亀二郎は想う
実家の饅頭屋が最近「アサナンデス」に地元のお気に入り和スイーツ店とか意味のわかんねー特集でくっそ忙しくて、週5で手伝っていたら、メンバーに「饅頭とバンドお前のベクトルは一体どっちなんだ!?」
「お前が上目指したいって言ったから頑張ったのになんなんだよ」ってメンバーにも怒られながらも、俺は言ったんだ。
「お前らてっぺんみたことねーから言ってんだよ!何でもてっぺんはちげーよ、わかんねーだろうな、、。」って話し合いしてたんだよ。下北のスタジオで。。
いつもはクールな佐介や大也が「じゃあ俺らがてめーよりてっぺん目指すよ、このクソ野郎」って罵声を浴びせられながら、もうこのバンドは終わりだ、、所詮夢物語だったんだよ、、。そう思ってたんだ。あの話し合いのあとのスタジオの帰りは絶望しかなかった。
何てことを言ってしまったんだって、恥ずかしげもなく泣きながら、飲めない【鬼ごろし】を飲み、肉まんを食べリバースしながら家路に向かっていたぜ。
え、、、なんで?
おれは今メンバーとともに饅頭屋で働いているのか?わからない、俺はわからない。
しかし、大也は根っからの軽さで女性客を呼びこみ、32個入りの饅頭ばかり勧めてる。おかげで客単価もいい。
佐介に関してはレジの列の形成がうますぎる、きちんとフォーク並びを実行させ、誘導もばっちりだ。
羅紗に至ってはあいつサポートなのに、うちの母に気に入られて、あいつが饅頭の作り手になっている。
俺、息子だよね?あれ、跡取り羅紗なの??まじかよ、てか餡子の作り方あんなに滑らかに作れんのかよ、あいつドラムよりうめぇな?
俺の実家の饅頭はこと如く売上はあがり、バイト代もあがって、休みの日はたのしい。うぇーーい。
ちがう!!
なのに、なんで新製品の饅頭について俺らミーティングしてるの?、、4時間も語りあったよ。
こしあんはうまい!
しかし!
心は超せないぜ!
またな!